Sato Tomoko

painting,painting,painting!
山部泰司展 in 岐阜

岐阜市にある「なうふ現代ギャラリー」というところで、2月27日から山部泰司さんの展覧会が始まりました。オープニングにアーティストトークもあるというので、27日に岐阜まで行ってきました。

本当に良い展覧会で、考えることも気づくことも一杯あり、美味しいものも一杯食べたのですが、なかなか言葉にするのに手間取ってしまい更新が遅くなりました。

岐阜って一体どこ?などと思っていたけど、倉敷から約3時間(岡山〜名古屋は新幹線)で到着。意外と近くてびっくりです。名古屋駅から岐阜駅が普通電車で20分。ケルンで知り合った岐阜在住の友人と駅で待ち合わせて、いざギャラリーへ。


うっかり見過ごしてしまいそうな小さな看板。でも何かいい感じ。









写真では何にも肝心なものが写らないです。本当に雰囲気だけの参考に見て下さい。

山部さんの作品を見たのは、留学前の奈義町現代美術館での展覧会以来。生意気にも「山部さんに追いつけ、追い越せ」といつも目標にしているのですが、またやられてしまいました。私も次の展覧会に向けて新しいテーマに取り組んでいることもあって、前よりも近づいただろうと思っていたら、またも山部さんは一歩二歩と先を進んでおられました。

今までの作品よりも画面の中に奥行きと空間、そしてそれとは別に「層」があってとてもきれいでした。私がやりたいことやろうとしていることが、方法は違うけれどもそこにあって「くやしいくやしい」とつぶやきながら見ていました。

私は絵を描くということは「考えること」でもあると思っています。描きながら「絵画とは何か」と考える。描いていないときも「絵画とは何か」と考える。それは自分が絵描きだから当然のことでもあるし、それ以前にやっぱり絵画という芸術が大好きだからです。

山部さんの展覧会を見るたびに作品に「新しい思考の跡」があって、とても刺激になります。それを期待するからこそ岐阜まで足を運んだわけなのですが…まだまだ私の絵はオコチャマだなあと思いました。いやいや負けませんとも。頑張ります。

展覧会は3月28日までで、月・火がお休みみたいです。まだ会期があるので、近くの方も遠くの方もぜひぜひどうぞ。

岐阜も良いよ。温泉も。(←山部さんからの案内状に書かれていたメッセージ)。
| 美術・芸術のこと | 23:13 | comments(0) | trackbacks(0) |
さらば急須


今日は何となく現実逃避にケーキを焼いたりしました。見た目はちょっとイマイチになりましたが、味はなかなか美味しかったです。今日が誕生日の友人にこの写真だけメールに添付して送ってあげました(笑)。何て優しいワタシ…。

せっかくなのできれいなお皿にと思い、引っ張りだしてきたのがこの青いお皿。2002年にトルコに行った時にカッパドキアで買ったのです。それ以来一度も使ってなかったので8年ぶり。使ってあげないとダメですねえ。本当にきれい。


でもいつも愛用していた急須を先日ついに落として割ってしまいました。もう10年以上愛用していたのに。数年前に蓋を割ったときは漆で接いで直したのですが、今回はそうもいかず。

実はこの急須は大学時代によく遊びに行っていた和食器のお店のご主人が、格安で譲ってくれたのです。というのも「”鶴”の絵がワンポイント入った急須と湯吞みのセットという商品だったのに、この急須にだけ作家さんが鶴を描くのを忘れていて売り物にならないから、朋子チャンどう?」と。

お店に顔を出すたびにお饅頭とお抹茶を出してくれて、焼き物や作家さんについていろいろ話を聞かせてくれて。半額以下で良いというし形も気に入ったので、購入したという次第です。

この急須だけでなくお茶入れや食器などでお店に置けなくなったものを、時々こっそりくれたものです。頑固で説教好きなご主人だったけど、貧乏学生を真面目に相手にしてくれて、いいお店でした。

大学院の修了記念に「お抹茶茶碗を買う」と苦労してためた金額を伝えると、「朋子チャンが買うのか!?」と店中の予算内の抹茶茶碗を引っ張りだしてきて、あれが良いこれが良いと一緒に悩んでくれました。懐かしいなあ。

割れちゃったのは残念だけど、自分で落としたので仕方ありません。10年間楽しませてくれました。ありがとう。でも左利きの私には急須は不便なので、今度は土瓶にしました。
| 日記など | 22:08 | comments(0) | trackbacks(0) |
特命完了

今日は午前中に倉敷市玉島の遊美工房さんに行ってきました。というのも今月末が締め切りの特命を授かっていたからです。


遊美工房さんではちょうど今、お雛様の展覧会。お人形やお飾りで何とも晴れやかな雰囲気でした。


でもよく見ると”歯”が生えていて、一瞬ドキッとしてしまいました。一人で海外に行くのは怖くはないけど、真夜中にトイレに行くのは怖いのです。だから「この人形は私の部屋には飾れない」とか考えていたら、この歯の生えたお人形は評判が悪くて2〜3年で製造中止になったのだとか。余り残っていないので、今では貴重なものなのだそうです。


それから「貝合わせ」。この実際の遊び方を初めて知りました。観察力を養ったり美意識を育んだり、そして知識を得ることもできる教材としても優れたものだったと教えてもらって、感心&関心。


このお雛様はお顔がとっても素敵。今時のひな飾りって二重まぶたでまつげがビシバシあったりしそうじゃないですか(偏見過多)。なんかホッとする優しい、品のあるお顔です。久しぶりに優雅なひと時を過ごさせてもらいました。

特命は、この遊美工房さんが5月にお茶会を計画されていて、その時の和菓子のデザインを約20人のクリエーターに依頼されています。及ばずながら私ワタクシメも声をかけてもらっていて、図案を渡しに行った次第です。

オリジナルの和菓子という趣向のお茶会。今から楽しみな反面、ちょっと気恥ずかしくもあり。
| 日記など | 23:55 | comments(0) | trackbacks(0) |
案内状ができました

4月のLADS GALLERYでの個展の案内状ができました。


こんな感じです。詳細はホームページで。

あと正味1ヶ月なのに、ここに来て集中できず散漫な日々が続いてます。昨年の11月から私にしては真面目に取り組んで来たので、脳がちょっと疲れたのかもしれません。それを言い訳に、チョコレートとかをもそもそ食べていたらちゃんと体重に反映されてきました。

セチガライ世の中です。明日こそ頑張ろう、と毎日唱えてます。
| 展覧会のお知らせ | 22:19 | comments(2) | trackbacks(0) |
強制収容所巡り(5):オーストリア

一つだけですがオーストリアで訪れた収容所を紹介します。

マウトハウゼン強制収容所 in マウトハウゼン
※収容所のWebsiteからLanguageに進むと、何と”日本語”のページがあります。


オーストリアのリンツから約25km程東に位置し、森の中にあります。リンツは観光地としても見どころの多い町なので、ここからマウトハウゼンに日帰りすると便利です。

アクセス:リンツ中央駅から360番のバスで 「Mauthausen-Ufer, Hauptschule」まで。片道3.4ユーロ。バス停から収容所までは約2kmで歩いて20分程です。こまめに「KZ-Gedenkstätte Mauthausen」の標識があるので迷うこともありません。往路は少し坂道になっているので、軽いハイキングという感じ。歩き始める前に帰りのバスの時間を確認しておきましょう!


こんな緑に囲まれた道を進んで行くと、


向こうの方に建物が見えてきます。歩いていて不安になっても、標識の差す方向を信じて進んで下さい。

※「地球の歩き方」では別のアクセス方法が紹介されていましたが、リンツのツーリストインフォメーションではこの”バス+徒歩”の方法を教えてくれました。(必要なかったけど)バス停からの地図もくれたし、バスの出発時刻も教えてくれました。

概  要:オーストリア最大の花崗岩の採石場があり、採石場の労働を「囚人」にさせるために強制収容所を建設した。採石のための収容所であり、建築も独特な外観。絶滅収容所ではないものの、過酷な労働と劣悪な食料事情で多くの収容者が死亡した。あらゆる人体実験が行われ、41年にはガス室が建設される。資料展示室・ガス室・火葬場・バラック小屋などが見学できる。また敷地内には様々な慰霊のためのモニュメントが設置されています。


人体実験の部屋







※入場料:2ユーロ(私が訪れた中では唯一の有料の収容所)

※パンフレット:2.2ユーロ

※エントランスに受付があり、書店・カフェ・トイレなどの設備も整っていて便利でした。

ここも印象的な収容所でした。無骨なお城のような建築と、敷地内に所狭しと設置されているモニュメント(というよりむしろ近代彫刻)の奇妙さと。(→以前の記事へ)
| 強制収容所 | 22:22 | comments(0) | trackbacks(0) |
168→121

こんなことを書いても仕方ないのですが、ドイツに出発したときは1ユーロ=168円でしたが、昨日は121円でした。というのもついにドイツ銀行の解約が成立して、お金が返金されたからです。返金先の日本の銀行から、海外からの送金ということで確認の電話があり、レートが121円と言われた時には…。

手数料もドイツと日本の両方の銀行に取られたりして、思っていたよりもかなり目減りしての返金になりましたが、まぁ、まぁ、これも人生、仕方ありません。気持ちを切り替えて(←大袈裟)頑張ります。
| 日記など | 21:09 | comments(0) | trackbacks(0) |
松谷武判展 in 鎌倉


続いて神奈川県立近代美術館(鎌倉館)で「松谷 武判 ー流動ー」展を見に行ってきました。


松谷さんにはパリでアトリエにお邪魔させていただいたり、お食事をごちそうになったりと、留学中にお会いする機会に恵まれました。この日はオープニングレセプションとパフォーマンスがあるということで、楽しみにしていました。

少し早めに着いてまずは展示を見学。思っていたより小さな美術館でしたがいい空間でした。天井もそんなに高くないのに、空間に窮屈なところがなく、作品も無理なく見ることができて。展示場所が広くない分、一人の作家を紹介するには丁度いい大きさなのかもしれません。

松谷さんの作品をまとめて見るのは初めてで、作品よりも先に人柄に触れた作家さんです。実直で誠実な飾らない松谷さんの作品は、鉛筆の鉛の色とキャンバスの白から生まれる白と黒の世界。鉛から生まれる光沢のある黒は、造形と相まって艶かしい感じも受けます。


パフォーマンスの時には大勢の方が来られてました。あちこちから聞こえてくる関西弁。それにしてもこんな大勢の中でパフォーマンスなんて、アーティストも大変だなあと思ってみたり。


上の白い袋から水滴がぽたぽた石の上に落ちてきて、石の上にすられた墨をゆっくりと流していきます。水がなくなるまでゆっくりゆっくり変化するという作品。


会期が終わる頃にはどんな色と形が生まれているのでしょうか。パフォーマンスが終わった後の松谷さんは、ちょっと照れくさそうにというか申し訳なさそうに一礼されてました。奥様のケイトさんが「働き過ぎ」と心配されるくらい日々制作に取り組んで、こつこつ積み重ねた結果の展覧会で、すこ〜し気恥ずかしそうにされてる姿が何とも素敵でした。

パリでお会いした時に「神奈川の展覧会ではこれまでの作品をずらっと並べるんですか?」と尋ねると、「いや、できるだけ新作も出すよ。まだ生きてるのに回顧展みたいに古い作品ばっかりが並ぶのは格好悪いやろ」と松谷さん。その台詞が格好良いと思った私でした。

この展覧会は3月28日までなので、是非足を運んでみて下さい。
| 美術・芸術のこと | 22:03 | comments(1) | trackbacks(0) |
ウィリアム・ケントリッジ展

東京国立近代美術館で「ウィリアム・ケントリッジ―歩きながら歴史を考える そしてドローイングは動き始めた…」を見てきました。ウィリアム・ケントリッジは1955年南アフリカ共和国生まれで、舞台芸術の分野と今回紹介されているアニメーションの作品で活躍しているアーティストです。

アニメーションと言っても彼自身が木炭やパステルを使って描いたドローイングをもとに作られているので、いわゆるセル画のアニメーションとはまったく違う表現になっています。このドローイングが力強くて、でも哀愁があって何とも魅力的です。自国のアパルトヘイトの歴史との関連や、脱西欧中心主義など社会的な解釈もされるケントリッジの作品ですが、私はとにかくドローイングに見入ってしまいます。

ケントリッジの作品は1997年のドクメンタ10で初めて見て以来、ヨーロッパを旅行する度に目にします。ケルンのルートヴィッヒ美術館にも常設されていました。映像の作品でも彼の作品だけは最初から最後まで気がつくと足を止めて見ています。

ケントリッジは描いたドローイングを写真に撮っては、また手を入れて最度写真に撮るという気の遠くなるような作業の積み重ねの中で、アニメーションを作ります。映像で見る無数の美しいドローイングも、そのほとんどは作業の途中で消えて行くわけです。あんな素敵なドローイングが描けたら、私にはそれを消すことはできないだろうなと思います。もったいなくて(笑)

彼は映像の方からそのキャリアをスタートしたそうなので、絵を描くという感覚よりは絵コンテを作っている感覚に近いのかもしれません。だから情緒的になりすぎず、画面に必要以上の完成度を求めず、職人的に進めていけるのだろうか、とそんなことを思ったりしました。

展覧会自体は作品数が私には多すぎて、途中でバテてしまったのですが、ドローイングを見られただけでも大収穫でした。
| 美術・芸術のこと | 22:05 | comments(0) | trackbacks(0) |
後2ヶ月

昨日は岡山県天神山文化プラザ企画展[天プラ・セレクション]の「浅野 有紀」展(〜2/7まで)を見に行ってきました。普段から作品作りについてよく話をすることもあって、楽しみにしてました。

…のにデジカメも携帯も忘れてしまって、写真が撮れませんでした。残念。彼女の作品を見ると、日本画というよりむしろ「岩絵の具」の持つ色の美しさにいつも感心します。こういう表現は油絵ではできないな、と。私は私で油絵の具だから表現できる美しさを探して制作をしています。だから(勝手に)共感してしまう部分が多いのかもしれません。

本当に絵画というのは、描いている人の”程度”がそのまま表れるなあと思います。どんなに深い奥行きのある絵を描こうとしても、作者にそれが無ければそうはなりません。絵は正直です。他のジャンルのことは分かりませんが、絵画に関してはそう言えると思います。

そろそろ4月の個展の案内状を準備しないといけません。案内状の印刷が済むと、いよいよ展覧会が近づいてきたなあという気分になり、追いつめられていくわけですが。今回は新しいテーマに取り組んでいることもあって、緊張と不安の間をふらふらしています。

いい絵を見ていい刺激をもらったので、また自分の制作を頑張ります。残り2ヶ月でどこまで集中できるか、怠けがでてこないように、淡々と、粛々と、こつこつ描くしかないのですが。


そんな私の癒しネコ。最近は布団の真ん中で寝ることを覚えてしまって、私が端っこに追いやられて困ってます。
| 美術・芸術のこと | 23:41 | comments(0) | trackbacks(0) |
おひなさま

今日は倉敷は朝から雨でした。いつもの散歩ができなくて、さっさとアトリエに行けばいいのにそういう気にもなれず、ふと思いついてお雛様を出してみました。


10年以上ぶりに出したので、組み立て方も並べ方も分からず四苦八苦。小さい頃は何もかもスゴく高級に見えたんだけど、今こうやって出してみると何て素敵なプラスチック。






でも人形の表情とかは結構可愛らしくて、それなりに作った人の気持ちが入ってるんだろうなあとあらためて感心。

ドイツの友だちにこの写真を送ろうと思います。特にレネーは人形劇とかを自分でするから、日本の人形を見たいと言っていたので、喜んでくれるはず。ただひな祭りのことをドイツ語で説明するのがなあ…ちょっと大変。

しばらくネコはお雛様のある部屋には立ち入り禁止です。
| 日記など | 21:49 | comments(0) | trackbacks(0) |
 123456
78910111213
14151617181920
21222324252627
28293031   
<< March 2010 >>
+RECOMMEND
兵役拒否の思想―市民的不服従の理念と展開
兵役拒否の思想―市民的不服従の理念と展開
市川 ひろみ
表紙に「木を見張る」という
作品を使ってもらいました。
+RECOMMEND
カラヴァッジョへの旅―天才画家の光と闇 (角川選書)
カラヴァッジョへの旅―天才画家の光と闇 (角川選書)
宮下 規久朗
カラヴァッジョと言えば宮下先生。最高に面白いです。
+RECOMMEND
Concentration Camps: A Traveler's Guide to World War II Sites
Concentration Camps: A Traveler's Guide to World War II Sites
Marc Terrance
アメリカ人の著者による強制収容所を巡るガイドブックです。とても平易な英語で書かれています。
+RECOMMEND
もっと知りたいカラヴァッジョ―生涯と作品 (アート・ビギナーズ・コレクション)
もっと知りたいカラヴァッジョ―生涯と作品 (アート・ビギナーズ・コレクション)
宮下 規久朗
宮下先生のできたてほやほやの新刊です!この本を持ってイタリアに行きたい…。
+ SELECTED ENTRIES
+ RECENT COMMENTS
+ CATEGORIES
+ ARCHIVES
+ LINKS
+ PROFILE
+ OTHERS
このページの先頭へ